才能があれば、画面を見なくてもすいすい
楽しいもんだ。
都立大学の引っ越してすぐのことだった。
犬の散歩に出かけたが、迷子になった。
決まって自由が丘の向こうのほうに行くと迷子になった。
3回ぐらい迷子になってやっと土地勘が備わった。
当時、犬と交番のおまわりさんと飼い主が三つどもえで
帰る方角をもめたことがあった。
結局飼い主が野性と山歩きで鍛えた本能で独自の帰り道を進み、
無事帰ることができたが、
引っ越してすぐの散歩でこんなにわかりづらいと思ったことは無かった。
迷子になった理由は近くを走る電車の線路が3本あることで、
犬は途中で、「電車の行き先を確認しろ」と言ったので、帰ることができた。
当時は、飼い主7割、犬3割の活躍と分配したが、
先ほど見たテレビでその辺の特集をしていて犬7割、飼い主3割の勝敗率だったと
わかったのである。犬は直線コースで家がある方角を目指していた。
しかし直線コースでは到底、家に帰ることは難しかっただろう。
というのは、右に行っても左に行っても帰ることができたが、
初めての人間には堂々巡りに見舞われ、住み始めて2日目の飼い主では
無理なコースだった。住み始めて1年が経ち、大通りに出てから帰った
飼い主に軍配を上げていたが、いま振り返ると、
とても近道を犬が教えていたということがわかったのである。
おまわりさんが教えた道は、犬が行こうとした道だったが、
坂道の感覚がおぼつかなかったのできっと彷徨ってたどり着けず、
大通りに出る道を質問するのが正しかった。
犬の帰巣本能は、たった2日目からでも発揮する。
いい歌。
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