犬は遊びを覚えた。本当は子供の頃に覚えた遊びだった。
部屋のドアを開け、外に出てから閉める。
閉めたら開けるが子供時代はできた。
今は閉めたら閉まったまま、子ヤギの童話のようにドアを叩く
どん、ドアどん、ぺち、どん
飼い主は余裕があると
「お婆さんの手は白かった」
犬はお手をしろと言われている気がした
さっと手を持ち上げドアに鼻を挿しこむ
「お婆さんの顔は白い、OK!」
ここから赤ずきんになって、
「お婆さんのクチはどうして大きいの?」
「御婆さんの耳はどうして立ってるの?」
「きゃー、狼が来たぞー」
なんだか、赤ずきんじゃねーし、お婆ちゃんじゃねーし、
(おしっこしながら歩くぞー)
やんちゃな爺、飼い主に怒られしばらくドアの外に追い出された
(開けて―)
ドン、ドン、ドン
「ダメ!外!」
犬はウォー、ウォッ、へんな鳴き声を覚えた
わしの若いときは後ろ足で立ち上がってドアノブに手をかけて
自由に出入りできたのに今じゃ外で立ち往生じゃ…
ドン、ドドン、ウォッ
犬爺さんは結構気が長い。小1時間ほど子ヤギの狼役をやっている
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